9秒台を出した桐生選手とコーチの関係から学ぶ

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女性起業家のビジネスモデル構築コーチ 川田治です。

スポーツの世界でも、個人でメンタルコーチをつけているということが、当たり前に認知されるようになってきましたね。先日9月9日の日本インカレ男子100mで、桐生祥秀選手が遂に日本人で初めて10秒の壁を破って9秒98というタイムを出しました。桐生選手にはサポートに、東洋大の土江裕寛さんという

コーチがついています。土江さんの場合はテクニカルなコーチでもあるようですが。今回のブログは、そんな土江コーチのインタビューから感じたことを。

桐生選手の今回の9秒台は狙った記録ではなく、それ以前には相当迷いがあったそうです。同じ100mには多田周平という優秀な選手がいます。出場種目も200m走にしようかとも直前まで迷っていました。その理由は100mでも200mでも、高校時代の自己ベストを更新できていなかったから、せめて1種目だけも自己ベストを出したいと考えたから。

桐生選手は、高校時代に「10秒01」というタイムを出して、その後期待されながら結果が出せずに、前回の世界選手権にも選ばれないという状態。怪我があったとはいえ、仲間がリレーで結果を出している姿をテレビで見るのは、複雑な思いがあったと思います。

想像してみてください、若い頃から結果を出して、周囲から注目され続けているにも関わらず結果が出ず、周囲の期待以外に自己ベストすら更新できない。それでも4年間走り続けることのメンタルの大変さ・・・・・

ビジネスでも立ち上がりはスンナリ行ったけど、その後は売り上げや集客が伸び悩み続け、後輩たちにも抜かれて、やり続けられずに折れて消えてしまった起業家を山ほどみています。僕も、きっと1人だけでは続けていけずに、折れていたのは間違いありません。

そんな期間もコーチのサポートがあって走り続た桐生選手の、最後のインカレでの最終決断は、200mではなく100mを選択。桐生選手は、「自分が一番勝負をしたい」と思う100mに背を向けることをしたくなかったから。多田修平との勝負から逃げるのではなく、キッチリ戦って大学生活を終わりたい――という気持を打ち消すことができなかったと言われています。

そのレースをスタンドのプレス席で見ていた土江コーチは、ゴールしてしばらくは両手を合わせて祈り続け、正式タイム「9秒98」が表示されると、大声を上げて涙をボロボロ流しながら周囲と抱き合って祝福を受けていました。そして記者会見でも、桐生選手が感謝の言葉や入学時に反発したことなどを口にする横で、涙を流し続けていました。その姿がまた感動的だったですよね。。。

土江コーチは、インタビューでこんな言葉を残しています。

「僕がいっぱい(桐生に)介入して記録を出させようとした時の方が出なかったので……。それがよく分かって今回は勉強になりました」

「桐生とやるようになってから、それまではこっちから『こうだ』という客観的な視点のコーチングしか出来ていなかったが、桐生とやるなかで、選手を主体に考えて『どう感じているのか』『どう助言すればいいのか』というようなことをイチから勉強したと思います」

実際に大学1年生から、指導方針やトレーニング内容に関して、桐生選手から不満をぶつけられたことがあったと言います。最初は一方的な指示だったのが、桐生選手から「こういうことをやらせてほしい」と土江コーチに言ってくるようになり、ふたりで互いに練習方法を提案しあった上で方向を決めていく形へ。

だから、信頼し合える関係になったのは何かがあって一気にというのではなく、徐々に徐々にでしたね

これって、プロコーチも同じだなと

土江コーチの言葉から学んだ2つのこと

土江コーチの話を聞いていて感じたことは二つ。

一つはコーチとクライアントの信頼関係は徐々に徐々につくられていくということ。

「コーチに喜んで欲しい」「前向きな自分に変わりたい」と本当は吐き出したいことを吐き出せないことや、「なんか今の言葉に違和感を感じる」「コーチの態度にモヤモヤする」ということがあれば、クライアントがコーチに言えること。もちろんコーチも伝えられること。そういう関係は1回のセッションで構築できません。

昨日セッションしたクライアントは「ミサイルが普通に飛んでくる時代だからこそ、大切な相手には伝えられることは悔いなく全部伝えたい」と話してくれていました。本当にその通りだと。

自分の考えていること・感じていること・言葉にしていること・行動していることが一致していること。そんなありのままの自分を出せる信頼関係は、関わりを重ねることでつくられるもの。きっと桐生選手も、記録が更新できない間のモヤモヤをコーチに伝え、それを聞いたコーチが感じたことを伝え返すということを繰り返してきたんだと思います。これはアスリートのコーチだけでなく、プロコーチも同じ。コーチとクライアントで、それが言い合えるからこそ、ブレイクスルーが起こせます。

二つ目は、コーチはクライアントによって育てられていくものであるということ。

実際にコーチと契約する時には、自分の専門分野で先を歩いているコーチや、コーチとして先輩を選ぶケースが多いと思います。横の関係とはいえ、コーチがクライアントを育てるみたいなイメージを持ってる人が多いんですけど、逆です。クライアントがいなければコーチは成長できませんから。今回桐生選手という素晴らしい選手に出会ったからこそ、土江コーチも期待に応えようとしたことが伝わってきます。

僕は過去、本当に素晴らしいクライアントと出会ったことで、新たな発想が生まれて、スキルが上がりました。また尊敬するクライアントがいたからこそ、想像力を、さらに豊かにできました。

一度セッションしただけで、奇跡が起こる。そんなケースもありますが、やっぱり二人三脚で一緒に走り続け、転んでも起き上がったり、凹んで立ち直ったり、そんな長期的にサポートすることがコーチもクライアントも成長し、結果が出せる・2人が変われる。そんなサポートをしていきたいと思った桐生選手の記録更新でした。

最後までお読み頂きありがとうございます。何か参考になれば、とってもとっても嬉しいです。

 

この記事を書いた人

女性起業家専門コーチ 川田 治

累計4,500セッション以上のサポート実績から生まれたコーチング×コンサルティング×潜在意識を活用した引き寄せ習慣で、ファンが自然に増え続けるコミュミティを一緒に作ります。もっと知る

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